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待機児童問題は、待機児童を抱える母親だけの問題ではない [保育園]

杉並区の保育園問題について、NPO法人フローレンスの代表理事・駒崎弘樹さんがブログでご自身の見解を書かれていました。
杉並区の保育園反対運動に関する、実務家からの考察

この記事に対して、保育園反対派の方からメッセージが届き、それにお答えする形で書かれていた次の記事が非常に興味深かったのでご紹介します。
杉並保育園反対派からメッセージが来たので、反論します

反対派の方のおっしゃる「公園の重要性」にはまったく異論はなく、特に地域に公園が少ない地域では、ただでさえ少ない公園を潰すのか!とお怒りになる気持ちもよくわかります。
子どもが小学生になった我が家でも、安心して子どもが遊べる公園の存在は非常に大事で、一時期工事で近所の公園が使えなかったときには一時的なこととはいえとても残念でしたから。

しかし、それ以上に、「来年4月までに保育園を増やす」ことがなぜ重要かということがこの記事には明快に書かれています。

「復帰しようとしていた働く親(多分母親)は、復帰ができなくなります。充実した職場環境だったら良いですが、非正規ならば失職の危険もあるでしょう。これから働こうと就活していた親(多分母親)たちは、保育園が見つけられずに、就職の機会は奪われるでしょう。

 保育園に入れるか否かは、彼女たちの、雇用に直結します。雇用に直結するということは、今の収入に直結するばかりではなく、将来の収入にも大きく影響します。なぜなら、「キャリアの空白」は日本の就職においてはいまだにマイナスであるからです。それは子ども達への教育支出と非認知能力の発達にも影響し、子ども達の将来の学力にも影響し、更には子ども達の将来所得にも関係するでしょう。

 彼らにとっては、「たかが1年」だとしても、今目の前で保育園を求めている親たちにとっては、その1年はクリティカルに重要なのです。・・・」

そう、復帰時に保育園がないと雇用の機会を奪われる人たちがたくさん出てきてしまうのです。
わたし自身、保育園に入れるかどうか、学童に入れるかどうかは「入れなかったら、わたし仕事続けられないかもしれない」という切実な問題でした。

そして、その「仕事を続けられないかもしれない」という気持ちは、単なる自己実現とかわがままのレベルの問題ではなく、夫になにかあったとき経済的に自立して子どもを育てていけるかという「親としての責任」にかかわる問題でもありました。

こういう問題が起きるときにいつも残念なのは、働く母親vs専業主婦みたいな構図になって、「自分が仕事したいからって子どもを人に預ける、しかも税金を使って、なんて、ただのワガママ」みたいな声が飛び交うことです。
女性が子どものいる・いないにかかわらず、社会人として社会の役に立つために働き、税金を納めることが「子どもを犠牲にしたわがまま」と捉えられてしまうこと自体に、日本社会の根深い「男は仕事・女は家庭」という昭和論を感じざるを得ません・・・。

駒崎さんのブログの最後に、杉並区議員さんの言葉が紹介されています。
「待機児童を抱えたお母さんたちの叫び声を毎年のように聞くのは、もう終わりにしないといけないんです」

素晴らしい議員さんだと思います。
問題をこれ以上先送りしてはいけないという強い意志を持ち、解決のために期限をもって動いたこと自体が素晴らしいです。

子育ての問題は、一過性のもので、子どもの成長とともに何とかなってしまうことが多いです。
保育園も、学童も。
入れてしまえば、入る前の深刻な悩みから逃れて「なんとかなった」という気持ちで次のステージに入ってしまう。
だから、翌年も、またその翌年も、同じ問題に、違う共働き・シングル世帯がぶつかってしまう。

やはり、子育てを経験した当事者こそが、これから子どもを産み、子育てしながら仕事を頑張ろうと思っている若い世代を応援し、守らなければいけないと思います。
わたしにできること、小さいことではありますが、働くママサークルで企画している「大きなおはなし会」はその一歩です。

身近なところから少しずつ、子育てを保育園問題を、待機児童におびえる母親だけの問題ではなく、社会全体の課題に変えていきたいと思います!
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