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3歳児神話に思うこと [ワークライフバランス]

日曜日、キャリアカウンセリングに携わる資格を持った人が集まる研修に参加してきたのですが、
キャリア教育についてのグループ討議のときに、
50代後半~60代と思われるおじちゃんからこんな発言がありました。

「やっぱりね、3歳までは母親がちゃんと子どもを育てなあかん。
それから幼稚園で集団生活を体験して、いろんな体験を積み重ねていくのが
キャリア教育の土台なんや。
それをしないで働きに出るような母親がいるのが問題でね・・・。」

あまりに自信満々の昭和な発言に目が点になってしまいました。
こんな信念を持ったカウンセラーにキャリアカウンセリングされる人って不幸だわと思いましたが、
人の発言を否定しないのがカウンセリングの基本姿勢なので
その人の意見として黙って聞いておりました。

3歳までは母親がべったりついて、愛情を注ぎまくらないと
その子の人格形成に負の影響を与えるという3歳児神話は、
高度成長期に男性を企業戦士として借り出すために日本でもかなり活用されましたが、
現在では理論的にも現実的にも否定されていると思っています。

3歳児神話の根拠として非常に大きな影響を与えたのが1951年に発表された『乳幼児の精神衛生』
(MATERNAL CARE AND MENTAL HEALTH )を中心とするボウルビィの母子関係論だそうです。
しかし、イギリスの精神医学者M.ラターはその著書『母親剥奪理論の功罪』(北見芳雄訳、誠信書房)で、
 「ボウルビィは母子のむすびつきの重要性を指摘しながらも、同時に・・
<乳幼児をときおり母親以外のだれかに世話させることに慣れさせることは、優れた保育方法である>
とも明確に述べている。・・またボウルビィは母親が子どもを置いて働きに出ることも、
母親にかわって世話をする人物の子どもへのマザリング的接し方が、
母親のやり方とそれほどへだたってはおらず、
かつ連続して行われることがとくに保障されるならば、
子どもに悪い影響はないであろうと強調した」
と指摘しています。

現実的にも、母親の就労と子どもの発達を10年かけて調査した研究で、
「子どもの発達は、母親が働くか育児に専念するかという形だけでは議論できない」
という結論が導かれているそうです。
この研究についてはこちらの「3歳児神話を検証する」という記事の中に掲載されています。

最近政府も「育休を3年に延長!3歳まで抱っこし放題♪」なんて
さも立派な少子化対策のような顔をして方針を出していますが、
母親だけに育児の責任を負わせることの弊害(過保護・密室育児の負担による虐待)の本質を
理解していないのではないかと思ってしまいます。
日本の政界・経済界をリードするおじさんたちの本音は、、
「育児ってのは本来母親の仕事なんだから、せめて3歳まではしっかりやれよ。
 たまには息抜きできるように、男の育休も数日はとれるようにしてやるからさ。」
ってとこなんじゃないのかな~ってのが正直な感想です。

3歳児神話は正しいという意見を持つこと自体は個人の自由だし、
わたしと異なる価値観を持っているから悪いなんて偉そうなことを言うつもりはありませんが、
社会的に影響力が強い人がそういう発言をあたかも唯一の正論のようにすることで
働くことで社会に貢献する高い意思と能力を持つわたしたち女性の足を引っ張ったり
邪魔するような行動を起こすことだけは、ご遠慮いただきたいものだと切に願います。
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