SSブログ

独立した美容師さんの話 [ワークライフバランス]

わたしの行きつけの美容室は、
現住所からはちょっと遠い神戸市兵庫区にあります。

わたしが今の会社に転職してきて、最初に住んだのが兵庫区で、
さて新しい土地で美容室はどこにいこうかな?とぷらぷら近所を歩いていた時に
手作りっぽい木の看板がおしゃれな美容室をみつけました。
入ってカットしてもらいながらいろいろ話をしていると、
最近独立したばかりだとのこと。
一人で物件を見つけて、自分のお店を構えるにあたって、
いろんなものを手作りしたそうです。
わたしもその頃、ホームセンターでペンキを買ってきて家具の色を変えたり、
100均で買ってきた材料を組み合わせて収納家具を作ったりということをよくしていたので、
意気投合してすっかり仲良くなり、常連客となりました。

その後結婚して垂水に引っ越してからも、
さらに東灘に引っ越してからも、
ずっと彼女を応援したくて、
そして彼女に会いたくて10年以上この美容室に通っています。

独立して自分のお店を持つって、すごく素敵だと思ったけど、
実際それで食べて行くとなるとそう簡単ではなくて、
よく「1月2月の閑散期、お客さんがこないとき、本当に不安になるよ~」
って言ってました。

一度、わたしが産休か育休に入ってからも、会社に行かなあかんとか、
仕事せなあかんということがあって、そのことを愚痴ったことがありました。
「でもさ、休んでいても、戻るところがあるって幸せやで」
と言われてはっとしました。
「帰る場所があるって、恵まれてると思うよ。
 わたしなんて、休んだらもうお店自体がなくなるんだからさ。」

本当だ、休んでいる間、仕事をしていないのに、
ちゃんと復帰できる場所を残してくれていて、
かつみんなが戻ってくるのを待っててくれるなんて、
わたしって幸せ者なんだ。。。
育休を当たり前の権利のように錯覚していた自分が恥ずかしくなりました。

それからも、行くたびに、
「ちゃんと子育てもして仕事もして、ほんと偉いわぁ」と褒めてくれるのですが、
わたしから言わせれば、
一人で美容院というお店を経営している彼女のほうがずっと偉い。
しかもいつも笑顔で明るくて、人を元気にさせるオーラが彼女にはあります。

そんな彼女のお店に先日久しぶりに行ったら、
手の冷え方が異常だと看護師をやっているお客さんに指摘され、
病院で検査を受けたという話を聞かされました。
膠原病だと診断されたそうです。
彼女は淡々としゃべるのですが、わたしはなんて声かけていいのかわからず、
すごくショックでした。

命に別状があるわけではなく、
仕事も今は問題なく続けられると言っていましたが、
わたし以上に本人と家族はショックを受けたことでしょう。

どうしてこんなに頑張っている彼女が病気なんかに侵されないといけないだろう・・・
やりきれない思いです。
しかも、病院に行く日はお店を開けられないんですよね。
定休日の月曜日だけで病院通いが済むならいいのですが、
別の曜日も休むことになると、これまたお店の売上に響くわけで・・・・。
独立して働くってほんと大変なことです。
逆に、組織で働くって、面倒なことは多いけど、
すごく恵まれていることだとつくづく思います。

何かわたしにしてあげられることがないか考えてみたけど、
やっぱりできることってこのお店に通うことぐらい。
だから、これからも、この美容院に通い続けるつもりです。
現状では不治の病と言われている膠原病ですが、
いつか「もう大丈夫、よくなったよ!」という言葉が彼女から聞ける日がくることを願って。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:育児
> 人気ブログランキング

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。