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「わたしのとくべつな場所」 [絵本・子どもの本]

先日図書館で借りてきた絵本の中に「わたしのとくべつな場所」という絵本がありました。

わたしのとくべつな場所

わたしのとくべつな場所

  • 作者: パトリシア マキサック
  • 出版社/メーカー: 新日本出版社
  • 発売日: 2010/09
  • メディア: 大型本


主人公のパトリシアが自分から「とくべつな場所」に初めて一人でおでかけすると宣言してでかけます。
行く途中、バスの席が白人と黒人で分けられていたり、
公演のベンチやレストランに「白人専用」という表示があって彼女は座ることができなかった、
「肌の黒い人間はここに入るな」とたまたま人ごみに押されて入ったホテルのロビーから追い出されたり、
黒人差別を目の当たりにして涙を流しながらも、
おばあちゃんの「胸をはって歩きなさい」という言葉を思い出し、
がんばって自分の足で「とくべつな場所」にたどりつくというお話。

このお話は作者のパトリシアさんの幼少期の経験をもとにした実話だそうです。
このような人種差別が実際におこなわれていたテネシー州ナシュビルで、
唯一肌の色に関係なく、誰でも入ることのできた場所、
パトリシアのおばあちゃんが「自由への入り口」と表現した「とくべつな場所」が、
公共図書館だったのだそうです。
パトリシアは、この公共図書館を目指して歩いていたのでした。

人種差別という難しい、重いテーマだったので、
読み終わった後に
「書いてあること、わかる?」
と長女に聞いてみました。
案の定、長女は首を横に振ります。
もちろん次女も。

あとがきに、このお話の背景が書かれていたので、
人種差別というものがどういうものか、わかりやすい言葉で説明してみました。
「肌の色が違うだけで、あなたは入っていいけどあなたはだめ、みたいな意地悪をしていたことが
 昔は実際にあったんだよ・・・・」
長女は、一生懸命理解しようとしていました。
そして、言いました。
「そんなことするの、いけないと思う!海ちゃんは、ぜったいそんなことしない!」

人種差別の不合理を、彼女なりに理解してくれたのだと思うと
とてもうれしくなりました。

以前ベトナムの貧しい子どもたちが作ったビーズのストラップの話をしたときにも思いましたが、
弱い立場の人間のつらい気持ちを、
自分の立場に置き換えて、共感してあげられる優しい気持ちが
長女の中で育っているような気がします。

そんな想像力・共感する力を育んでくれるのは、
まさに絵本の力だと思うのです。
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