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アクティブラーニングについての研修 [子どもの教育]

昨日、会社の全体研修で産業能率大学教授の鈴木健生先生の講演を聞きました。
鈴木先生はアクティブラーニングの第一任者として今各地で講演や研修を行い活躍されています。

アクティブラーニングは、2014年11月に文部科学省が出した諮問に盛り込まれたことで、一躍脚光を浴び、2020年の高大接続入試改革への対応を見据えて公教育でも導入がすすんでいます。
文科省の定義は「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」。
京都大学高等教育センターの水上慎一先生によると「一方的な知識伝達型交誼を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味でのあらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習とは、書く、話す、発表するなどの活動への関与とそこで生じる認知プロセスの外化を伴う」ものということになります。

一方的に聞くだけでなく、理解したことをアウトプットすることで知識の定着や思考力・表現力を高める学習方法だということだと思うのですが、この講演の中で印象的だったのは2つ。
まず、形式的なディスカッションやグループワークを行うことではなく、その前に自分できちんと考えるという目に見えない部分をしっかり行うことが大事だということ。
もう一つは、鈴木先生がご自身のビジョンとしてアクティブラーニングが目指すものは「教育のための社会」の実現であるという考え方をされていること。

「教育のための社会」とは、人が生涯学び続け、成長する生き方を認める社会であり、「社会に適応するための教育」を行うことを目的としていないということで、企業がグローバル人材を求めるから、企業の即戦力としてのグローバル人材を仕立てて社会に送り込むのは教育の目的ではないと断言されていました。
この考え方は、わたしもすごく共感するところです。

鈴木先生は、アクティブラーニングの本質的な目的と価値は「自分の学びが仲間の役に立つ。仲間の学びが自分の役に立つ。自分のためにも仲間のためにも真剣に学ぼう。自他共栄の心。切磋琢磨の厳しい関係。協働的な人間関係形成能力を高める」ことと定義されていました。
自分が学ぶことが誰かの、社会の役に立つ。それが個人の幸せに繋がる、ということが大事なのだと思います。

わたしの勤める会社も企業理念としてホームページにこんなメッセージを載せています。
「私たちは、困難を乗り越えたその先にある喜びを味わえるよう、あえて多くの試練を用意し、鍛え、励ますことが教育者の役割であると考えます。
私たちの教育目的は、時代やグローバル化の要請に応じて、有用な「人材」を仕立てて社会へ送り出すことではありません。
試練を乗り越えた喜びとともに得た自信を年輪のように重ねた人間こそが、自身の幸せをかみしめ、より豊かな国や世界をつくっていくと確信しているからです」

目の前の仕事に忙殺されていたこの冬、自分の関わる教育という仕事の意義や価値を思い出させてもらった研修でした。

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