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「Q&Aこころの子育て」 [子どもの教育]

今、仕事で来週末締切で出さなければならない原稿があって、いろんな人の話を思い出していたところ、河合隼雄先生の「壁」についての話を思い出し、河合隼雄先生著「Q&Aこころの子育て」という本を買って読んでみました。

「壁」の話、というのは、特に思春期の時期には子どもは壁にぶち当たって大人になっていく。
その壁は、ぶちあたられても動じない強さを持っていないと子どもは不安になってしまう。
ここから先は絶対に駄目だと立ちはだかる壁が必要で、その壁は血も涙もある人間であることに意味がある。
・・・という話です。
大人は、なんでもかんでも子どもの言うことを聞いていちゃだめなんですね。
「人間として、これだけはダメだ」と大人がしっかり伝えることができれば、思春期のエネルギーをぶつけられても動じず立ちはだかってくれれば、子どもはそれを乗り越えて大人に成長していけるということ。
そろそろ、わたしも親として壁になる覚悟をしなければならない時期にきています。

我が家の娘たちは、まだ思春期には差し掛かっていませんが、海ちゃんは今10歳。
10歳というのも、子どもが自立していく上での大きな節目なのだそうです。
自立とは「自分から立つ」ということ。
甘えん坊の子どもであっても、ある時がきたら、すっと自分から立ち上がり歩いていくのだそう。
確かに、甘えん坊だった海ちゃんも、随分「自分から」「一人で」行動できるようになりました。
まだ、不安がることはありますが、河合先生いわく、10歳は子どもなりに自分とは何かを考え始めるので、不安感に襲われることが多いのだそうです。
そして、子どもは自分の不安感をうまく言語化できない。
だから、不安がる子どもを無理に引き離そうとするよりは、ちょっと寄り添ってあげれば、また何事もなかったかのように一人で歩き出していく・・・。

甘えてきた子を捕らえておくのではなく、ただ横にいて、離れていくのを止めないのは大事なポイントで、ここで自分の横に縛り付けると自立を妨げてしまう・・・というのは、今話題の就職活動にも口を出す過保護な親たちのことなのでしょうね。

知識欲が旺盛になるのもこの10歳~12歳の時期なのだそうです。
確かに海ちゃんは、地理が好きで、都道府県県庁所在地を覚えた後は、特産品だの地形だの工業地帯だの覚えるのが楽しくてたまらないようです。
これから、どんなことに興味を持ってぐいぐい吸収していくのかは楽しみなところです。

そして、もう一つ印象的だった言葉が、「強い絆よりも深い絆」。
絆の糸を長くして、ずっと深める。
お互いの関係の深いところを、なるべく遠く、それこそ「無限遠点」にまで持っていく。
その点を介してつながっていれば相手がどこか遠くに行ったって大丈夫。
その糸を短くして強めている人は、相手をコントロールしているだけ。
どんどん深めていくと、相手はどんどん自由になっていくんだけどちゃんとつながっている。

とても感動しました。

自分も生きているし、相手(わが子)も生きている。
自分の人生を生きられるように育てるのが子育て。

いい本に出合いました。
何度でも読み返したい一冊です。


ちなみに、河合先生が、兵庫県内の中学生が取り組む就業体験「トライやる・ウィーク」の誕生にも携わっていたということも最近知りました。
すごい方だったのだと改めて思う次第です。
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