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ナナメの関係 [子どもの教育]

水曜日、東京出張で「子ども農山漁村交流プロジェクトセミナー」に参加してきました。
子ども農山漁村交流プロジェクトは、7年前に総務省・文部科学省・農林水産省の3省連携でスタートしたプロジェクトで、子どもたちに農家や漁師さんの家などの民家に宿泊し、そこでの生活や一次産業の体験をしてもらい、豊かな人間性を育むと同時に地域の活性化をはかることを狙いとしたものです。

このセミナーでとても印象的だった言葉が2つありました。
1つは
「コミュニケーションは電波でするものではない。顔を突き合わせて声に出してするものだ。」
という、滋賀県日野町で子どもたちの受け入れコーディネートをされている方の言葉。
対面コミュニケーションがとても苦手な今の子どもたちや若者が生まれている背景には、対面コミュニケーションの機会を十分に与えていない(子ども同士の集団遊びの場や時間を奪っている)大人の責任を感じます。

もう一つは
「戦後70年で大きく変わったのは従妹(親戚)が減ったということ。社会教育に重要なナナメの関係が薄れている」
という、千葉大学名誉教授・千葉敬愛短期大学学長である明石要一先生の言葉。

従妹の数は、団塊の世代では30人くらいいたのが、団塊ジュニア世代では10人くらいとなり、団塊の孫の世代では片手で数えるほどになっているというご指摘。
確かにわたしの従妹は10人くらい、うちの娘たちについては、従妹がまだ一人もいません。
明石先生は、従妹は初めてのライバルであり(親戚同士が集まると、子どもの進学先や就職先の話になりがちだから)、災害時のセーフティネットであった(災害時はまず親戚のところに避難を考える)。
親や先生でもない(縦の関係)、友達でもない(横の関係)、ナナメの関係は、異年齢の従妹だったり、近所のおじちゃんおばちゃんだったりするわけですが、そういった甘えや以心伝心が通用しないナナメの関係の中で昔は社会性を学んでいたということ。
ナナメの関係がなくなるということは、社会では自分のわがままが通用しないということや、我慢しないといけないこともたくさんあるということ、その人に合わせた付き合い方の加減を学べないまま大人になっていくということであり、社会性を学ぶ集団生活での体験の必要性が高まっているというお話に、なるほどなぁと思いました。

そういう意味では、うちの子どもたちが1年生から6年生までが集まる学童の異年齢集団の中で放課後を過ごし、指導員さんやほかのお父さんお母さんに褒められたり叱られたりというナナメの関係で揉まれているということは、非常にいい環境だなぁと改めて実感します。

従妹というナナメの関係がないうちの子どもたち、JOFや学童での異学年集団で過ごす時間をこれからも大事にしたいと思います。
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